イムルであの夢を見てしまった勇者は。
テーマは友情です。
「・・・・・・ごめん」
かすれてしまった声で。ノイエはようやく意味のある言葉を口にした。
「少し,落ち着いた・・・?」
「ああ。・・・・・・でも」
いつもの話し方とは似ても似つかない,ぼそぼそした頼りない呟き。
「・・・わりぃ。しばらく,独りになりたい」
搾り出したようなその笑顔は危うすぎた。
平和なサントハイム城に突然の来客が。
冒険後の世界で巻き起こる騒動です。全キャラ登場ほのぼのコメディ。
姿を現した二人を見て,兵士たちは仰天した。
同時に,今日の来客リストにその名前が無かったことを,とっさに頭の中で確認した。
「おぅ見張りごくろうさん,わりぃ今回はなんの連絡もしてないんだけどとりあえずクリフトとアリーナに会わせてくれ大至急!!!」
「はっ,はい!!」
テンペの村での,あの戦いとその後です。
もう戻らない命と,力強く生きようとする命。
緑の布が染まる。
それは,花よりも宝石よりも濃く鮮やかで美しい赤。
「・・・っいやあぁ!!!」
ガーデンブルグで起こる騒動,そしてすれ違いと葛藤。
クリフトとアリーナ,ここが正念場です。かなり甘めです。
ねぇ,クリフト。わたしのこと・・・好き,なんだよね。
愛してるから,ずっと一緒にいたいから,だから勉強も修行も頑張ったんだって,言ってたよね。
じゃあどうして抱きしめてくれないの。
分からないよ。クリフトの考えていることが全然分からない。
なんで最後に謝っていくの。どうしてそんな辛そうな目,するの。
レイクナバにて。トルネコに連れられてトムじいさんの家を訪れた勇者達。そこで出会った若夫婦から聞かされた恋の話。そしてクリフトへ自分の気持ちを伝えようと頑張るアリーナのお話です。
いいなぁ、いいなぁ、いいなぁ。
あんな風に、クリフトの頭ももう少しやわらかければいいのに。
誰かを好きになるということを、少しも考えたこともないのかな。
神様に仕えるのは、たったひとつの愛を貫くことよりももっと、そんなにそんなに大切なこと?
エンディング後の、勇者とシンシアの話。(男勇×シンシア)
ピサロ戦を終え穏やかな日々を過ごす男勇者「アグリウス」の祈りと望み、そして―――赦しの意味とは。女勇者も少し出てきます。
(小説は別窓で掲載してありますので、本サイト「影が映える都」からコンテンツ『影都都市伝説』を経て頂ければ幸いです。)
そして、この情景に、僕は・・・・。
ある影と影が重なった。『其処』は、此処でない場所。
『其処』で、今の僕ではない・・・・、
―――――――『僕』が見ていた
世界が平和になってから数年……。
サントハイムの神官クリフトは、それからゴットサイドで修行をしていた。
ある日のこと、魔法使いブライが彼のもとを訪れる。なんと、アリーナ姫が結婚することになるかもしれないというのだ! 果たして、アリーナ姫の相手とは? そして、クリフトは?
彼が愛している、その国の姫。
会いたいと思ったことも、何度もあった。
しかし、その度に思い返す。
『私は、何のためにここに来たのか!?』
今以上の自分にならなければ、彼が愛する高貴な姫に、合わせる顔がないと思っていた。
いよいよ明日,エンドールに向けて再び城を離れることに。
クリフトとアリーナ,それぞれが抱える希望と不安をえがきます。
・・・いつまで,こうやって夜にふらりと会えるんだろう。咎められずに。
あなたとつりあうだけの立場は,ほしい。
だけど,こんな特権も手放したくない。我ながらなんて我侭なんだろう。
でもせめて今はこうして,声を重ねていたかった。
城を飛び出したその晩。アリーナはクリフトを引っ張り出して,夜の散歩を開始します。
何もしゃべらないクリフトに苛立ちを覚え,アリーナは使い込まれた椅子から立ち上がり,彼の腕をぐいぐい引っ張った。
「は,はい?すみません,なんでしょう」
「外,行こ!」
「えっ?」
「せっかく久しぶりにサランに来たんだから,お散歩したいの」
「しかし,もう夜も遅いですし,なにより誰かに見つかったら・・・」
「夜遅いからこそ,見つからないんじゃない。
・・・いいでしょ?クリフト」
イムルの村の沖合い。ライアンは勇者とクリフトに,少年時代に起きたある出来事を語り始めます。
「そうだな。・・・でも,幼い頃はただ漠然と剣を手にしていただけだった。
戦士になりたいと強く思う,きっかけがあったのだ」
「きっかけ?」
「そう,きっかけだ」
ノイエは身を乗り出した。
「聞かせて?」
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